2015.8.1~3
1日 白川郷見学-市ノ瀬
2日 別当出会5:20-室堂9:30~10:00-御前峰10:40-お池巡り-室堂12:30
3日 室堂6:20-黒ボコ岩6:40-観光新道-別当坂分岐8:10-別当出会9:20
朝4時起床、朝食を済ませバスの列に並ぶ。5時の始発のバスは何台も用意されており全員が乗れるようになっていてありがたい。20分ほどバスに揺られるとまだ薄暗い別当出会に到着した。
トイレを済ませ、早速スタート。まずは鳥居をくぐり、長い吊り橋を渡る。
30分ほど登ると中半場に到着。多くの人が休憩していた。まだ時間は6時、谷底まで日光は届かず、空気はひんやりとしていた。
甚之助避難小屋に着くことには太陽も高くのぼり、青空に稜線が浮かんでいた。
休憩する人たち
2階の入り口
南竜道分岐に着くとほとんどの人が黒ボコ岩を目指していった。私たちは南竜道を進み少し遠回りになるがエコーラインから登ることに決めていた。人が少ないこととお花畑が見事と聞いていたからである。南竜道にもたくさんの花が咲いていた。
ハクサンフウロ
ミヤマキンポウゲ
20分ほど歩くとエコーライン分岐に着く。ゆるやかな斜面にコバイケイソウの白い花が浮かんでいる。なんて気持ちのいい場所だろう。何度も立ち止まりさわやかな風を思いっきり吸い込んだ。
コバイケイソウの向こうに南竜山荘が見える。南竜ケ馬場を経由する展望歩道コースも静かな山旅を楽しめそうだ。
コバイケイソウの足下にはクロユリが沢山咲いていた。花を見ながらゆっくり登っているとおもしろいものを見つけた。黒くないクロユリである。エコーラインの登山道脇に1輪だけ咲いていた。
左、黒いクロユリ、右、黒くないクロユリ。形は同じ。
写真を撮っていると制服のようなものを着たグループが追いついてきた。自然保護の担当者らしく、登山者から黒くないクロユリを見たという話を聞き探していたのだという。場所を教え感謝されてしまった。
黒くないクロユリ。黒い色素だけが抜けちゃったみたいでひ弱な感じ。
弥陀ヶ原に近づくにつれ一気に花の種類が増えてきた。背の低い植物の群落が増え、開放感が広がる。
ハクサンコザクラ
アオノツガザクラ
チングルマ
ミヤマキンバイ
弥陀ヶ原の開放感は素晴らしい。雪渓を通ってきた風が冷たく心地よい。
ちょっとポーズ。それにしても気持ちがいい場所だ。
夕べ宿泊した人たちだろう。写真を撮りながらゆっくり下山して行った。
黒ボコ岩を経由する人たちが見える。雲と一緒に歩いているかのようだ。
五葉坂の岩の急登を終えて振り返ると弥陀ヶ原に2本の登山道が見えた。今日は左のエコーラインで登り、明日は右の観光新道で降りる。五葉坂を登り切ると室堂センターはすぐだった。
室堂センターは完全予約制なので混雑状況がわかる。私たちは混雑を避け自炊棟を予約したが、自炊棟も最終的には8割くらいが埋まった。受付を済ますと係の人が部屋まで案内してくれた。到着が9:30と早かったので1階奥の落ち着ける場所をとることができた。
お花畑の中に建つ室堂センター。定員750名完全予約制。石川県のやる気の結晶。
ハクサンフウロとイブキトラノオのお花畑。こんなお花畑の中に室堂センターはあった。
センター裏の白山奥宮は工事中だった。シートはかかっているが中には入れた。
荷物を整理し、ちょっと休憩してから山頂に向かう。コースタイムは40分位だが急いで登ってはもったいない。花を見ながらゆっくり登る。
クロユリ
クルマユリ
イワギキョウ
イワツメクサ
徐々に傾斜が増し、高天ケ原を過ぎるとハイマツと岩の急登になる。振り返ると室堂センターと雪渓が青空に映えていた。
山頂直下には白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)奥宮がある。何の神様かよく分からないがとりあえずお参りし、最高峰の御前峰(ごぜんがみね)に達する。
白山は御前峰、剣ケ峰、大汝峰の総称で、最高峰の御前峰に一等三角点が置かれている。山頂標識の向こうに雪をまとった剣が峰が見えた。
山頂から見下ろすと雪を浮かべた池が見える。右が紺屋ケ池、左が油ケ池、その間に登山道が続き剣ケ峰を巻くように伸びている。お池巡りも楽しそう。
山頂は思いのほか狭い。登山者が次々とやってくる。記念写真を撮ったら山頂は譲るのが山のマナー。お池巡りに出発する。
まず頂上から御宝庫(おたからぐら)の岩峰を目指してゆるやかに下る。
それから池に向かってザレた急坂をジグザグに下りていく。最初は油ケ池。
次の紺屋ケ池では雪渓に乗って遊んだ。
雪渓の先端は水の中で青く光って美しい。
剣ケ峰から雲がわき、翠ケ池は鈍い青色だった。
大きな岩の間を抜けると血ノ池に出る。血ノ池という名前に反して澄んだ池だ。
池に沿って進むと雪渓に覆われた千蛇ケ池になる。千蛇ケ池には千匹のおろちを雪渓で閉じ込めているらしい。雪渓が融けておろちが出そうになると山頂の御宝庫が崩れてくる仕組みらしい。万年雪なのに池があるとどうして分かったのだろう。
千蛇ケ池を過ぎ、クロユリが群生するお花畑コースを下って戻った。前後に登山者のいない静かな散歩を楽しんだ。室堂に戻ったのはまだ太陽も高い12:30だった。
食堂で冷たいビールを飲み至福の時を過ごす。相棒は高山植物の説明会に参加していた。夜が近づき、太陽が隠れると同時に思いがけないショーが始まった。雲が燃えるように赤く染まり地面を赤く照らしたのだ。
外に集う人たちから歓声が上がった。雲はしばらく赤く染まっていた。やがて夜の帳が降りると雲の中で稲妻が光った。巨大積乱雲の大サービスショーだった。
自炊棟に戻り夕食を採った。老年のグループが賑やかにうどんを作っていた。「毎年大鍋を背負ってうどんを食べにやってくる。これが最高にうまい。」と、大声で話していた。大声は消灯の9時まで延々と続いた。9時消灯なので誰も文句は言わないが・・・。
消灯時間が過ぎ皆が寝静まった頃、年配女性のグループが山から戻ってきた。今頃戻って来るとは何て非常識な。グループは小声で話しながら2階の自分たちの寝床に行ったが、知らない男が寝ていたので別の場所を探し始めた。その男は、寝る前に2階をのぞくと広い場所が空いていたので「俺はここで寝る」と言って勝手に場所を変えたのだった。年配女性グループは結局私の真上に移動してきて荷物の整理を始めた。みんなが寝静まった中、いつまでもザックが床にこすれる音が響き、落ち着いた場所をとったはずなのに最悪の場所になってしまった。
夜明け前、老年のグループはご来光を見に行くのだろう皆が寝静まっている時間から動き出した。真っ暗な部屋の中、相変わらず大声で話している。たまりかねた女性登山者が「まだ寝ている人もいるんだから、静かにして下さい。」と言うと、「外で待てるから。慌てなくていいよ。」と、さらに大声で怒鳴って出て行った。まったく・・・・。