笠ヶ岳 3日目

2015.9.21~23

21日 新穂高温泉鍋平10:40-登山口11:30-ワサビ平小屋12:50-鏡平小屋16:20

22日 鏡平小屋6:20-抜戸岳11:45-笠ヶ岳14:00-笠ヶ岳山荘15:00

23日 笠ヶ岳山荘5:30-稜線分岐6:50-笠新道登山口11:00-新穂高温泉12:00

4:30に起床し自炊テーブルでパンとコーヒーの朝食を済ます。隣ではガスバーナーで食パンを焼くおじさんがいい匂いを振りまいていた。5:30準備が整い外に出てみると槍穂のシルエットが見えた。

山の朝は寒くダウンを着て出発。今日も雲一つなく最高の天気になりそうだ。

焼岳、乗鞍岳、御嶽山が一直線に並んで雲に浮かんでいる。霧の下に新穂高温泉の町並みがうっすらと見えた。

テン場はまだ動き始めていない。そろそろ朝食の準備を始める頃だった。

サヨナラ 笠ヶ岳。

笠ヶ岳を振り返る。下りはいつも「もうこんなに下りたのか」と驚く。太陽はまだ槍穂に隠され、朝日は差し込んでこない。

抜戸岩。

抜戸岩を過ぎると双六岳や鷲羽岳が顔を出した。槍穂から差した光が山頂を照らしている。低い山には霧がかかっている。

笠ヶ岳にも朝日が差した。明暗のコントラストが綺麗だ。登山道は稜線の西側に続いているのが見える。東側は崩壊の危険があるのだろう。

東側に回り込むと一気に光が差し込み、目が痛いほどだ。

笠新道分岐に到着。ここから一登りすれば稜線に出る。

稜線から杓子平を見下ろすとすでに何人もの人が下山していた。

ここからコースタイム4時間の急な下りが続く。膝がもつかどうか心配。

正面には槍穂から差し込む光が線になって見える。天使の階段のようだ。

杓子平から稜線を振り返る。ここは登山道と言うより水が流れる岩場を下っている感じだ。大小の岩が続き気が抜けない。

秋色に染まった木々の向こうに笠ヶ岳が見える。いよいよ笠ヶ岳の見納めだ。

樹林帯に入るとときどき木々の間から山が見える場所があった。標高が高いところには赤く染まったナナカマド。その向こうに焼岳、乗鞍岳。

さらに下りてくると緑の葉越しの槍穂。これが最後の展望。

笠新道登山口に降り立つ。ほぼコースタイム。膝はよく持ちこたえてくれた。

新穂高温泉まで休みながらのんびり下山。これから登る山ガールが登山届を出していた。明日も晴れるといいね。

ここで終了と行きたいところだが駐車場は山の上。もう登る気力はない。ロープウェイで鍋平高原まで登り駐車場に向かう。もう少し頑張らなくては。

笠ヶ岳 2日目

2015.9.21~23

21日 新穂高温泉鍋平10:40-登山口11:30-ワサビ平小屋12:50-鏡平小屋16:20

22日 鏡平小屋6:20-抜戸岳11:45-笠ヶ岳14:00-笠ヶ岳山荘15:00

23日 笠ヶ岳山荘5:30-稜線分岐6:50-笠新道登山口11:00-新穂高温泉12:00

5:00に起床しパンとコーヒーの朝食を済ませる。6:00 次々に出発する登山者を横目に鏡池に行ってみた。太陽はまだ低く槍穂のシルエットが鏡池に映っていた。山荘に戻ると稜線を太陽が照らしている。今日は最高の天気が期待できそうだが朝は寒い。6:20 防寒着を着て山荘を出発する。

最初はなかなかペースが上がらない。体内に酸素が行き渡るまで30分ほどは焦らず秋色の斜面をマイペースで進む。日光が当たると急に汗が噴き出した。防寒着を脱ぎ体温を調節する。双六山荘を出発した人たちがもうここまで下山してきた。

振り返ると太陽は槍の上に顔を出していた。鏡池と鏡平山荘が見える。池がある場所が小高い丘のようになっているのが不思議な感じがした。

7:20 弓折乗越に到着。少し休憩する。山に向かう人、山から下りる人、みんなここで立ち止まり、一息入れる。

後方には双六岳方向を行き交う人たちと、遠くには鷲羽岳が見える。

前方にはこれから歩く稜線が見える。あの一番高いところは笠ヶ岳だろうか。いやたぶん抜戸岳だろう。

足下にはきのう歩いた小池新道が見える。遠くには焼岳と乗鞍岳が見える。

大ノマ乗越を過ぎ、大ノマ岳に向かう。小さなアップダウンがなかなか厳しい。

振り返ると双六山荘とテン場が見える。あそこにいけるのはいつになるだろう。

8:40 大ノマ乗越を過ぎた辺りで休憩。天気は最高だが休憩の時は日光をさえぎる物がほしいと贅沢なことを考える。

休憩をしてエネルギーも充填し再スタート。青空とそよ風が気持ちいい。

笠ヶ岳への稜線は槍穂の稜線とほぼ並行しているため左手にはいつも槍穂がある。

槍穂を背景にチングルマの花は綿毛になりハクサンフウロは紅葉が始まっている。もうすっかり秋だな。

大ノマ岳には数人の登山者が休んでいた。秩父平が見下ろせる。ここから約300m下ってまた登り返す。あの稜線まで行けば笠ヶ岳の全容が見えるはず。

鋭くとがった秩父岩は巨岩が崩壊する姿だろう。あの巨大な蟻地獄には何か名前があるのだろうか。

秩父平はすり鉢状に開けたカールだ。白い登山道が稜線まで続いている。この下に昨日涼んだ秩父沢があるが、なぜ秩父という名が付いているのだろう?

そそり立つ秩父岩。岩の摂理だな。

秩父平の中腹から振り返ると


槍から穂高までの稜線が綺麗に見える。後続の登山者も見える。追いついてきたら先に行ってもらおうと思っていたが山荘まで追いついてきた人はいなかった。

秩父沢の最後の岩場を登り切る。標高差約300m、なかなかきつい登りだ。

登り切ったところで思わず休憩。双六岳と鷲羽岳が見える。

稜線に出ても小さなアップダウンが続く。


小ピークを巻いたところで笠ヶ岳が見えた。綺麗だ。でも、とてつもなく遠い。

笠ヶ岳が見えたことに満足し休憩。時間はすでに11:30。ハイマツが切れた岩場で昼食とする。他のグループも思い思いの場所で休んでいた。

エネルギー充填し再々スタート。

登山者がピークに集まっている。あれが抜戸岳だろう。

抜戸岳は正に槍穂の展望台だ。ここでのんびり昼食休憩の人もたくさんいた。こんなに快晴で風も穏やかな日はそう多くはないだろうな。

大槍、小槍が見える。槍から伸びる西鎌と北鎌尾根、遠くに燕岳と表銀座。

大キレットにも行ってみたい。ジャンダルムは怖そうなのでやめておく。

槍ヶ岳山荘が見える。あそこに行ってからもう8年か。なかなか再訪できない。

穂高山荘が見える。あそこに行ってからもう3年もたつのか。

抜戸岳を過ぎると笠ヶ岳がぐっと近づいた感じだ。

途中の稜線から見下ろすと杓子平に笠新道が見えた。明日の朝はこの道を下る。

小さなアップダウンを繰り返して抜戸岩に到着。笠ヶ岳の正面玄関といった感じ。

抜戸岩を過ぎると山荘とテン場がはっきりと見える。カールが美しい。

テン場の岩に「ガンバ」の文字。嬉しい気遣いだ。このテン場はトイレがない。山荘までいちいち登るのは大変そう。

山荘直前で振り返る。テン場の向こうに歩いてきた稜線と見守ってくれた槍穂が広がっている。最高の眺めだ。

山荘到着13:30。 昨日と同じように素泊まりの手続きをとる。

荷物を置いてさっそく山頂に向かう。

20分で笠ヶ岳山頂。頂上には何人かの登山者が眺めを楽しんでいた。

岩場に三角点。それだけの山頂。シンプルでいいね。周りは北アルプスの山々。

山名を書いた板が1枚落ちていた。三角点に立てて記念撮影する。

今日歩いてきた稜線を見下ろす。ずいぶん歩いてきたと感激する。手前の播隆平には池塘がいくつか見える。緑の笠が芝生のようだ。時間は午後2時を過ぎ槍穂には雲が出てきた。雲の影の動きを見るのも楽しかった。

登り9時間のクリヤ谷コースを見下ろす。こんなコースいったい誰が登るんだ。

山頂手前の肩には祠が祀られている。笠を開山した先人に感謝。

雲の流れる山荘に戻る。今日は一日中楽しかった。

午後は荷物を整理しながら部屋でゆっくり過ごした。入口近くのテーブルでは中年グループが宴会をしていた。夕方になりテーブルに行くとちょうど3人分空いていたので夕食の準備に取りかかった。そこにアルバイトの女の子が来て「○時からここは自炊者用になりますので自炊でない方は席をゆずって下さい。」というようなことを言った。すると中年おばさんは「じゃあ私たちはどこで飲めばいいの?はっきり指定してよ!はっきり答えなさいよ!あなたが指定しなさいよ!」と怒り出した。同行のおじさんも「何も、そこまで言わなくても‥」とひるむほどで、周りはみんな引いていた。そのグループは結局廊下で宴会をしていた。まったく‥‥