剣山

2016.04.29

リフト西島駅12:30~剣山13:00~次郎笈13:45~大剣神社14:40~西島駅15:00

羽田を発ち、しばらくすると眼下に日本アルプスの雪をかぶった峰が見えた。何という山かは不明だがこんなにはっきり見えるのも珍しい。高松空港に到着後レンタカーに乗り換え、剣山の登山口「見の越」に着いたのは12:00だった。

 

駐車場は満車だったが何か買えば駐車代無料というお土産屋さんがあり運良く止められた。バッジを買いリフト乗り場に向かうと何やら人だかりが。今日は剣山の山開きだった。祝詞をあげる神主さんとテレビ局のカメラを横目にステージでは親子がボリュームいっぱいにして忍たま乱太郎を歌っている。もう何が何やら‥‥

 

喧騒を離れリフトで西島駅に向かう。他には誰も乗っていない。

 

リフトから見上げると西島駅の周辺の木が白い。霧氷だ。風が冷たそう。

 

12:30 リフト西島駅。なだらかな登山道が始まる。あと205m登れば山頂なので本当に楽ちん百名山だ。

 

5分程で刀掛の松に着いた。枯れた大木が横たわっているだけ。安徳帝が剣山へ登る途中ここで休み、汗だくで宝剣を持ち続けている従者に松の枝に宝剣を掛けて汗を拭くよう言葉をかけられたという、とってつけたような伝説がある。

 

整備された階段を上り、木の鳥居をくぐると、

 

ブリキの煙突のような鳥居の剱山本宮宝蔵石神社。お参りして山頂に向かう。

 

神社の周りの木々は霧氷で包まれていた。山頂まで続く木道を登っていく。

 

木道は山頂を1周し山頂標識は木道の外に低くあった。集団の記念撮影を拒否する見事なつくりだ。

 

1等三角点は木道の中央でしめ縄に飾られている。しめ縄は神の領域との境界を表わしている。この三角点は神か。それにしてもこんなに上げ底でいいのか?

 

ジロウギュウへの稜線が綺麗に見えた。わずかだが歩く人の姿も見える。風が強いが予定通りジロウギュウに向かった。この美しい稜線を歩かないわけにはいかない。霧氷が花を添えている。

 

稜線の東側では風を受けず快適に歩けた。

 

西側斜面では風を受け体感が下がる。霧氷は水蒸気が凝結したもので風に向かって成長するため全部西に向かって伸びている。それにしても木の枝には着いているが笹の葉には全くない。実に不思議だ。

 

もうすぐジロウギュウ。山頂にいた人たちが下りてくる。

 

誰もいなくなったジロウギュウに到着。360度の展望だ。

 

360度の展望だが北アルプスのように特徴的な山が無く山座同定ができない。こちらがたぶん三嶺の方向だろう。風が強いので長居はできなかった。

 

剣山に向かう人たち。左手には丸笹山と山腹を走るスーパー林道が見える。

 

丸石の方向に下りる人たち。午後だというのに霧氷は融ける様子もなかった。

 

剣山直下からリフト乗り場に向かった。途中に名水百選に選ばれている御神水がある。せっかくなので飲んでみたい。

 

しかし土砂崩れがあったらしく御神水への道は通行禁止。一度大剱神社まで登って大剱道を下りなければならなかった。あの大岩は大剱神社の御神体のようだ。

 

大剱神社の柱には「天地一切の悪縁を断り 現世最高の良縁を結ぶ」とある。すごいな。でも誰もいなかった。

 

リフトの西島駅に戻ってきた。

 

リフトを降り見の越に降り立つ。山開きの行事は終わり落ち着いていた。見上げると剣山とジロウギュウの山頂だけに日が差していた。

明日は石鎚山。明日も天気は良さそうだ。

瑞牆山

2015.10.25

瑞牆山荘7:15~富士見平8:00~天鳥川8:30~山頂(9:40~10:10)~瑞牆山荘12:00

10年ぶりの瑞牆山登山。快晴の休日なので駐車場が心配だったが7:00に着くとまだ30台ほど余裕があった。身支度を調え瑞牆山荘前を出発、カラマツの黄葉越しに岩峰が見える。前回も秋だったが瑞牆山は秋が一番美しい。

 

富士見平には予想以上のテントが張られていた。駐車場から50分の場所だしカラマツの黄葉が綺麗だし、ここでのんびりするのも有りだなと思った。小屋は花が飾られ人の息吹が感じられる。10年前は無人の廃墟だった。ちょっと足を伸ばして富士山を見に行った。黄葉した木々の間から端正な富士山が見えた。

 

薄暗い樹林帯の岩だらけの歩きにくい道を進み天鳥川出会に下りる。大きな桃太郎岩には細い木の支えが散乱していた。こういう大きな岩にはだいたい桃太郎か鬼の名が付いているものだ。

 

登山道は巨岩上を進むが鎖があるので子どもでもすいすい登っていける。1カ所だけ、岩が崩れはしごがつぶされた箇所では渋滞が発生していた。

 

9:30 山頂直下で食事中のグループがいた。バーナーを使って本格的な食事をしている。瑞牆山の山頂は広いが平らな場所はない。だからここでバーナーを使っているのだろう。山慣れしたベテランらしい。それにしてもずいぶん中途半端な時間の食事だな。朝食それとも昼食?

 

山頂まで10分の案内から4分で山頂。丸板のダンゴ型標識も健在だったがその他に標識が2枚増えていた。山頂はまだ人も少なく快晴無風、最高の天気だ。

 

遠くに見える雪をかぶった富士山。この角度から見る富士は最高に美しい。

 

近くにある金峰山。五丈岩のトンガリはどこからでも分かる。

 

金峰山と富士山のコラボ。裾のカラマツもいい色出してる。

 

足下のヤスリ岩。あれをクライミングで登る人がいるとは信じられない。折り重なる峰々には北アルプスとは違った美しさがある。

 

山頂も人が増えてだんだん賑やかになってきた。若い登山者がはしゃいでいる。勇気を出して前の岩に飛び乗ったのはいいが怖くて立てないようだ。

 

八ヶ岳と蓼科山が見える。今日はどの山に行っても最高の展望だろう。

 

鳳凰山のうしろに北岳、間ノ岳、農鳥岳の白根三山が顔を出している。右手には甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、アサヨ峰も見えた。

 

遙か遠くに御嶽山。中央アルプスの木曽駒ヶ岳や空木岳も見えた。

 

奥にあるのは左から上河内岳、聖岳、赤石岳、悪沢岳の南アルプスの名峰たち。

 

おやつと山座同定を楽しんで下山に取りかかる。富士見平を過ぎると輝く黄葉の中でそよ風が心地よかった。

 

帰る途中、バックミラーに瑞牆山の全容が見えたので車を降り写真を撮った。秋色の里山の向こうに瑞牆山がそびえている。いつまでも眺めていたいと思うような美しい風景だった。

乗鞍岳

2015.10.10~11

10日 三本滝バス停9:20~畳平10:00~乗鞍岳11:40~三本滝バス停15:30

11日 恵那山登山口7:40~登山断念

10月も中旬に入り山は紅葉の季節。快晴とは行かないものの天気予報は晴れや曇りのマークが並んでいる。1日目は晴れの予報が出ている乗鞍岳で紅葉を楽しみ、2日目は曇りだが恵那山に登るという計画を立てた。恵那山は展望が良くないことは知られているので展望より紅葉を楽しもうという計画だ。しかし予想外の天気の連続だった。

乗鞍岳はマイカー禁止なのでバスに乗り換えなくてはならない。登頂後は紅葉を楽しみながら徒歩で戻ってくるために一番高いバス停「三本滝」で乗車することにした。夏のピーク時にここで待つと満員の時は乗れないというリスクがあるが、秋は激混みというまでにはならないようだ。
8:45 駐車場はまだガラガラ、バスを待つ人もまばらだった。

次のバスまで30分程ある。辺りを散策していると変な場所に赤いコーンが並べてある。しばらく見ていると子タヌキが3匹現れた。笹の中に巣がありコーンで保護しているらしい。警戒しながらもかわいい仕草を振りまいていた。

バスに30分ほど揺られ畳平に到着。風が強い。みんな登山中なのだろう人はほとんどいない。身支度を調えさっそく出発する。

10:10 まずお花畑に向かう。右に行くと1週30分のお花畑だがこの時期お花畑を見学する人はいほとんどいない。直進し登山道に合流する。

登山道を少し進み不消ケ池を振り返る。右手に富士見岳、左手に不動岳、正面に見えるのは魔王岳だろう。

左手に大雪渓が見えてきた。ガチガチの雪でスノーボードをやっている人がいる。剣が峰の山頂が白い。 雪? 霜? 何だ?

肩の小屋先の施設でトイレを借りる。この赤い建物は東大宇宙線研究所というらしい。ここまではトラックも入れる太い道路が整備されている。

10:50 やっと登山道らしくなってきた。朝日岳、蚕玉岳が見える。剣が峰までは50分の道のり。標高が高いので息が切れる。

少し登って振り返ると摩利支天岳の山頂に乗鞍観測所が見える。元はコロナ観測所だったが老朽化のため閉鎖されたらしい。今は人工衛星で観測する時代だ。

登山道は上るに従い岩が大きくなり、さらに上では巨岩の上を歩くようになる。

11:20 蚕玉岳を過ぎると眼下に権現池が見えてきた。火口湖としては日本有数の高所にある。青空は消え雲が増えてきた。

北には奥穂から前穂への吊尾根、その奥に槍ヶ岳が見える。

正面に剣が峰の鳥居と奥宮が見えてきた。岩が白くなっている。これは霧氷だ。

11:40 山頂到着。辺りは霧氷だらけ。霧氷は水蒸気が物体の表面で氷になったもので風に向かって伸びる。別名えびのしっぽ。さらに成長したものが樹氷だ。

本宮でお参りしバッジ購入。宮司さんも大変だな。

隣の御嶽山は噴煙をあげていた。御嶽山が噴火したのは1年前、2014,9,27。犠牲になられた方のご冥福をお祈りする。   

霧氷が砕け落ち雪のように積もっている。正に真冬の氷点下の世界。風も強く長居する人はいない。11:45 早々と山頂を後にし、頂上小屋に向かう。

真新しい頂上小屋は閉まっていた。小屋の前で風をよけながら急いで昼食をとる。

12:30 肩の小屋からバス停「肩の小屋口」に下りる。ガチガチの大雪渓ではまだスノーボードを楽しんでいる人がいた。
12:50 肩の小屋口バス停。ここから紅葉見学の始まり。

遊歩道と言うより水が流れた跡を歩く感じ。位ヶ原山荘まではほぼ落葉していた。

山荘を過ぎると紅葉が現れた。静かな小道が続き、他に誰もいない。

遊歩道は車道を縫うようにして進んでいく。

柔らかい光とさわやかな風が心地良い。さっきまで真冬の寒さだったことを忘れてしまう。

14:50 三本滝の分岐に到着。ついでに滝を見学していく。日本の滝百選に入っているらしいので期待する。

3つの沢の合流地点にあるため3本の滝が並んで見える。滝は三者三様でそれぞれが美しい。おまけの見学で得した気分になった。

15:30 バス停に戻ってきた。偶然にも登山2:40、紅葉見学2:40だった。


下山後、飯田市のホテルまで2時間ほど車を走らせる。明日は広河原登山口から恵那山に登る予定。天気予報は曇りだが紅葉見学にはちょうどいい。ホテルで汗を流し居酒屋で前祝いをし、明日に備えて早めに寝た。

朝起きてみると雨が降っている。激しい雨ではないがテンションが下がる。天気予報を調べると大変なことになっていた。恵那山の北側に雨雲が発生し20年に一度位の局地的大雨が降っているという。登山口は北側ではないがもし雨雲が流れてきたら川を渡れなくなる。以前にも川で事故が発生している。今日の登山は無理、断念する。でもせっかく来たのだから駐車場の様子を見に行った。

7:40 駐車場には1台だけ車が止まっていた。車中泊後まだ寝ているのだろう、窓ガラスが白く曇っている。まだ雨は止まない、迷わず駐車場を後にした。

雨が上がれば霧ヶ峰とか美ヶ原とか、ちょっと立ち寄ってみようかと思ったが雨はますます強くなっていく。あきらめて栃木に直帰することにした。